- 死ぬ
- しぬ【死ぬ】(1)呼吸や脈がとまり, 命がなくなる。⇔ 生まれる「寿命をまっとうして~・ぬ」「病気で~・ぬ」「命~・ぬべく恋ひ渡るかも/万葉 599」(2)活気がなくなる。 いきいきとした勢いをなくしている。
「~・んだ字を書く」「目が~・んでいる」
(3)そのものの持つ力が発揮されなくなる。 役に立たなくなる。「右の利き腕が~・んでいる」「素材の持ち味が~・んでいる」
(4)動きが止まる。「今朝は東にも西にも, 全く風は~・んでゐる/日本北アルプス縦断記(烏水)」
(5)囲碁で, 相手に自分の石を囲まれて取られる。「隅の十目が~・ぬ」
(6)野球で, アウトになる。⇔ 生きる「同点の走者が~・ぬ」‖可能‖ しねる〔活用は古くはナ行変格活用であったが, 中世後期ごろからナ行四段に活用した例が見られるようになる。 近世には, 四段活用化が進んだが, 近世前期の上方語では, 四段活用とともにナ行変格活用もなお用いられた。 近世後期の江戸語では, 四段活用が主流となったが, なお一部にはナ行変格活用も用いられた。 明治以降は四段活用がいっそう一般化し, 現代語では「しぬ(死ぬ)」の活用は, 一般に五段活用(四段活用の改称)とされている。 もっとも, 明治以降でも, 「死ぬること」などの形で, ナ行変格の残存形がときに用いられることがある〕︱慣用︱ 畳の上で~死なば諸共(モロトモ)死ぬときはいっしょだ。 連帯の意, あるいは最後の開き直りの意で言う。死ぬ者(モノ)貧乏(ビンボウ)生きていればいつかはいいこともあろうが, 死んでしまった者は最も損であるということ。死ぬる子は眉目(ミメ)よし早死にする子はとかく器量がよいものだ。死んだ子の年を数えるどうしようもない過去のことについて愚痴をこぼすことのたとえ。 死児の齢(ヨワイ)を数える。死んでの長者(チヨウジヤ)より生きての貧乏死んで金持ちになるより, 貧乏でも命のある方がよい。死んで花実(ハナミ)が=咲く(=なる)ものか死んだら再びよい目にも会えない。 死んでしまったらおしまいだ。死んでも命(イノチ)があるように生への執着が非常に強いことにいう。 危険なときなどに死にたくない気持ちをおどけていう場合にもいう。死んでも死に切れない非常に残念で, このままでは死ぬことができない。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.